山口県周南市の徳山港からフェリーで約20分。瀬戸内海に浮かぶ大津島(おおづしま)に佇む「小屋場 只只(こやば ただただ)」は、一日一組限定という究極のプライベート空間を提供する宿です。
本記事では、この稀有な宿で体験できる「お部屋食」を中心としたルームサービスの詳細や、島ならではの食体験について詳しく解説します。
小屋場 只只のルームサービス(お部屋食)
小屋場 只只には、レストランや共用のダイニングスペースという概念がありません。一日一組のゲストのためだけに、一棟貸しの平屋でお食事のすべてが提供されます。
一般的なルームサービスのようにメニューから選ぶ形式ではなく、その日、その瞬間に最も美味しい島の恵みを、オーナーやスタッフが最高の状態で運んでくれるスタイルです。
夕食サービス:かまど炊きご飯と瀬戸内の魚介に舌鼓
夕食は、瀬戸内海の穏やかな海を望むリビング、またはテラスに近いダイニングスペースで提供されます。
- 提供スタイル: 完全お部屋食(一棟貸しのため、建物内がすべてプライベートダイニングとなります)。
- 予約の要否: 宿泊プランに組み込まれているため、事前の予約が必須です。
- お料理の内容: * 地産地消の極み: 大津島で採れる無農薬野菜や、一本釣りで揚げられた新鮮な魚介が中心です。
- 冬の味覚: 冬季には延縄(はえなわ)漁法発祥の地とされる近隣の粭島(すくもじま)から届く「ふぐ」がメインとなることもあります。
- 伝説の和牛: 萩沖の見島に生息する天然記念物「見島牛(みしまうし)」など、山口県ならではの希少な食材が登場することもあります。
- かまど炊きご飯: 宿にあるかまどで丁寧に炊き上げられたご飯は、それだけでご馳走と感じるほどの逸品です。
刻一刻と表情を変える夕景を眺めながら、自分たちのためだけに用意された料理をいただく時間は、何にも代えがたい体験となるでしょう。
お部屋で楽しむドリンクと「何もしない」贅沢
小屋場 只只では、ドリンク類も滞在の楽しみの一部です。
- 地酒と厳選飲料: 山口県が誇る銘酒や、厳選されたワイン、ソフトドリンクが用意されています。
- オールインクルーシブ的な楽しみ: 宿泊形態によっては、お部屋の冷蔵庫内のドリンクやスナックが自由に楽しめる設定になっており、注文の手間すら忘れて過ごせる工夫がなされています。
朝食サービス:朝日を浴びながら楽しむ島の朝ごはん
朝食も、もちろんお部屋で提供されます。
- 内容: 焼き魚、地卵、季節の小鉢、そして炊き立てのご飯とお味噌汁。
- ロケーション: 窓を全開にし、潮騒と鳥のさえずりを聞きながらいただく朝食は、五感を心地よく刺激してくれます。
小屋場 只只の特徴
小屋場 只只は、単なる高級旅館ではありません。オーナーの水本雄二氏が「回天」という悲しい歴史を持つ大津島の記憶を風化させたくないという想いから、この地に作り上げた特別な空間です。
120平米の平屋を独占する解放感
建築家ユニット・成瀬・猪熊建築設計事務所によって設計された建物は、周囲の自然とシームレスに繋がっています。
- 五右衛門風呂: 離れには昔ながらの五右衛門風呂があり、海と一体になったような感覚で入浴できます。
- コンセプト: 客室に飾られた「からっぽ からっぽ なんもせん」という言葉通り、テレビや時計といった日常を想起させるものは極力排除されています。
この宿の最大の特徴は「引き算の美学」にあります。豪華な設備を誇示するのではなく、目の前に広がる瀬戸内海の美しさ、移ろいゆく光、風の音を最大限に享受するために設計されています。
また、宿のすぐ近くには人間魚雷「回天」の訓練基地跡があり、静かな海を眺めながら平和への祈りや命の尊さに思いを馳せる場所でもあります。自分自身を「からっぽ」にし、ただそこに存在することの幸せを再確認させてくれる、現代人にとって最も贅沢な隠れ家と言えるでしょう。
まとめ
小屋場 只只のルームサービス(お部屋食)は、食事という行為を通じて「島そのもの」を味わう体験です。
- 一日一組限定のため、建物全体がプライベートなダイニング。
- 瀬戸内の魚介や見島牛、かまど炊きご飯など、素材を活かした極上の和食。
- 「何もしない」ことを楽しむための、時計のない静寂の空間。
徳山港からわずか20分の船旅で辿り着くこの場所には、都会では決して手に入らない贅沢が待っています。
記念日や人生の節目に、ただ静かに海と向き合い、美味しい食事に満たされる。そんな究極の「何もしない旅」を、小屋場 只只で叶えてみてはいかがでしょうか。

